資源循環を通して
社会的価値と経済的価値を
同時に実現します
世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書2024年版において、今後10年間に直面すると思われる重大リスクの最上位を「異常気象」「気候の危機的変化」「生物多様性の喪失と生態系の変化」「天然資源の不足」の4つが占めました。わが国の第五次循環型社会形成推進基本計画は、気候変動の抑止や生物多様性の保全に加え、経済安全保障にも資する鉱物等の資源循環の推進を唱え、循環経済への移行を国家戦略に位置づけました。
当社は、金、銀、パラジウム、プラチナをはじめとする貴金属および希少金属の生産、特にリサイクルによる再資源化を主力事業としています。金を例にとれば、今年度は国内だけで年間40トンのリサイクル生産を目指しています。この生産量は、金を鉱物から産出する世界の全鉱山の中で4番目の規模に相当します。特に近年の伸びは著しく、産業活動や消費活動の資源獲得機会において「再生」が「天然」を凌駕する手ごたえがあります。
このような伸びを支えるのは、当社がリサイクルによって生産する金の価値は鉱山が採鉱によって産出する金の価値よりも高いという経済的事実です。その背景には、当社のリサイクルによる金生産は、鉱山の採鉱による金産出と比べ、CO2排出量が98%も少ないという計測結果があります。このように、気候変動や資源枯渇の対策につながる社会的価値を提供することで経済的価値を得ている実感から、当社の事業の発展に自信を深めています。
私たちがAREグループウェイで標榜している通り、「この手で守る自然と資源」という経営理念に沿って、限りある資源と地球環境を守り、持続可能な世界の実現に貢献します。そのための活動を通して企業として成長を続け、事業計画の達成と企業価値の向上に努めます。これらの点に関して、広くすべてのステークホルダーの皆さまからのご理解とご支援を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
2025年1月
AREホールディングス株式会社
代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO)
東浦 知哉